沖野和樹は、平凡な学生である。やや騒々しい日常ではあるが、ささやかな幸せがそこにあった。二人の女性の存在がそうさせているのである。妹の凛花。いたずら好きで困らせるようなことをするが、和樹を慕ってくれている。そしてもう一人は幼なじみの桜木乙女である。一つ年上でなにかと世話を焼いてくれる。美人でスタイルが良く学園内では男子の憧れの的である。乙女の世話焼きは和樹の生活の一部として浸透していた。妹が指摘するまでもなく、新婚カップルのようにしか見えない。二人は相思相愛の状態であるが、どちらかが告白したことはなく恋人同士として付き合ってはいない。幼なじみから一歩踏み出した関係にはなってないが、和樹にはこのままいけば恋人として付き合い、やがて結婚するだろうという思いがあった。自分の向こう側にある幸せがこちらにやってくるのを待っていればいいと思っているのであった。だが、そんな淡い幸せは、和樹の元に届けられた一枚のDVDによって打ち砕かれていくのであった…。
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