受付嬢・杏夏の適切な応対は、来客者たちからすこぶる評判が良かった。ただ、そんな彼女にも誰にも知られたくない秘密があった。それを唯一知る部屋の男たち。彼らに幾度となく部屋に呼び出されては、弱みに付け込まれ、不本意ながらも服従せざるを得なかった。この忌々しい関係を今すぐにでも断ち切りたい。この理不尽な男たちを恨み軽蔑していた。それなのに、未だここから逃れられない自分がいる。なぜなら、彼女はすでに自分の本性に気づいてしまったから…。いつからだろう、慰み者にされ哀れで惨めな自分に酔いしれていたのは。ただ、それを認めてしまうのは自分のプライドが許さない。男たちにはこの葛藤さえも見透かされてしまっている。どれだけ毅然と振る舞おうとも、本性を暴かれ、ただの欺瞞だと罵られる。心の奥底に潜む刹那。罵倒され侮辱され、カメラの前に嬌態を晒し、またしても男の足元に平伏してしまう…。
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