時は元禄、江戸城内大奥にもう一人の「キラコウズケノスケ」がいた。名を「嬉良交好之助」、新参女中の世話役及び仕置番を生業とする。近頃、大奥の中には局部に塗る媚薬が存在するという。嘘か誠か、塗れば女の悦びを忘れた者も取り戻すという話だ。しかしその変貌ぶりは明らかに不自然であることから疑念が広がる。実は、この一件の黒幕は毒味役に扮したくのいちの駒代であった。幕府を揺るがす巨大な陰謀と、嬉良の隠された素性とは一体何なのか?「頑固一徹、これからも生き方は変えられまい。大奥とは俺の世界であり、何人たりとも邪魔はさせまい」嬉良が魅せた四十八手の究極奥義はこれにて幕が閉じる。
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