長いあいだ憧れつづけてきた濡木恥夢男の縄が、いま、ついに自分の肉体に触れてくる。ああ、この感触、この甘い切迫感、痺れるような疼痛感。沢戸冬木(さわとふゆき)は感動し、呻き泣く。ここに登場する女性は、緊縛行為に慣れ切ったモデルではない。それゆえに濡木の縄に反応する肉体は鋭く新鮮に、そして激しい痙攣を見せる。絶好の獲物を手中にした濡木の執拗な縄、縄、縄が、繰り返して女の肉体を襲う。異様なまでに変化させる乳首責めの残忍さ。羞恥と屈辱にのたうち、刃物がほしいと哀願する女に奇怪な棒を握らせ、切腹の擬態を要求する濡木の興奮。これはホンモノの縄・緊縛愛好家だけにしか見せたくない濡木の極秘コレクションである。


悲願


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