SNSが生まれ、隠し撮りされた映像の流出や元芸能人の相次ぐ暴露等により、芸能人の枕営業は誰もが知ることとなった。当初は困り果てた芸能事務所も、今ではそれを逆手にとり、売れないタレントに堂々と枕を迫れる機会になったとうそぶく程、事態は常習化している。本作は、それにのってしまった1人の地下アイドルが、せっせとキモメン豚男に尽くす映像となる。しかし、これが夢を開く最後のチャンスと思っているのは本人だけ。全ては風俗へ斡旋する為に事務所が仕組んだ嘘であった。何の才能も努力もできない人間が、ある日、いきなり人気芸能人になれる。こんな話が眉唾なのは全員分かっている。騙された女ですらも例外なく。では、なぜそれにのってしまったのかといえば、今の自分の実力のなさを誰よりも自覚していたからなのだろう。そういったウルトラCでもなければ、ひっくり返せないほど自分にはなにもないと知っていたからだ。だから話にのった。1%の可能性にかけた。あとはいつも通り。この女もそんなつもりはなかった、騙されたと騒ぐだけ。うまくいけば信じていた。ダメなら騙された。信じると決断した自分の責任を放り出し、この女もデブに調教された後、同じようにおののくのでしょう。信じてよかったという自分と、騙されてバカをみたという自分は紙一重。どちらの道に行くかを決めたのは自分以外の誰でもない、だから責任くらいはとりなさい。
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