男の名前は龍堂寺士門(りゅうどうじしもん)。4年前のある日、ある事をきかっけに化学教師の職を離れる事になった彼は、単身用のボロアパートで、身を隠すようにひっそりと慎ましく暮らしていた。そんなある日のこと、士門の元に一通の書類が届く。それは、都内でも名高い私立名門校からの、身に覚えの無い採用通知だった。疑問や懸念が渦巻く中、龍堂寺は再び学びやに足を踏み入れる。通された理事長室に悠々と座っていたのは、昔同じ学校で教員として働いていた「竜崎さやか」だった。さやかは、戸惑う龍堂寺に一冊の企画書を突き付ける。「フル・ライフサポータ育成計画」と銘打たれたそれは、優れた容姿と肉体、そして性技術を持った女性を、就職と称して富裕層に斡旋するシステムで、その「英才教育」の講師として従事する…。それが復職条件だという。内心小躍りしたい程の興奮をひた隠しにしながら、龍堂寺はそれを引き受ける。
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