夏休み真っ盛りのプールの一角。人目がないのを良い事にシャワーで戯れる女子テニス部員たち。その賑やかな声に混じって聞こえる、男女の熱い息遣い。甲乙つけ難い2人の美少女から恋人宣言を一方的に告げられた最所弌は今日もその一人、空山菜摘芽との情事に耽っていた。最初の夜こそ押され気味だったものの、関係ができてしまうとあとはもう弌が一方的にリードするばかり。人目につきそうな場所での秘め事も、菜摘芽にしてみれば「おしおき」されているようなものだった。弌をめぐる恋のライバル水島朝とのささいな諍い。一人の男を共有する「ヒミツの夏」。お互いに好きなのに決して抜け駆けしない約束。でもお互いに弌を独占したいと焦がれる微妙な関係。フツーで考えたら絶対あり得ない、一人の男をお互い合意の上で求めあう、女どうしの甘く濃厚で、淫らな恋のバトルはやがて終わりを迎えようとしていた。夏の終わり……別れの時へ、嬌声は今日も絶える事なく……そして……


そらのいろ、みずのいろ 下巻 わたしも……してあげる


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