言えなかった言葉がある。伝えられなかった想いがある。それは取りもどせないはずの青春の一ページ。もし、片想いだったあのコとエッチができたなら……。これはハメ撮り雑誌の本誌だからできる、かなわなかった恋のお手伝い。−CASE10−岩下健太郎くん(24)の場合【出会い:図書館で見かけた君】岩下健太郎は、誌編集部出入りのけ出しライター。ライターといえば聞こえはいいものの、おもな執筆活動といえば風俗体験ルポとアダルトDVDのレビュー程度。つまりはエロライターというヤツだ。そんな生業の男にふさわしくというべきか、岩下は女性のカラダにしか興味がなく、まともな恋愛経験はゼロ。そんな男が初めてひとりの女性に心を奪われた。その女性は資料探しに訪れた図書館で見かけた女子大生だという。【作戦:図書館前で待ち伏せ】岩下には時間がなかった。彼女を見かけて以来、毎日のように図書館に通い詰め、軽く言葉を交わせるようになったものの、そこで彼女から聞かされたのは藤井美久という名前と焦らざるえない事実。美久ちゃんは名古屋の美大に通っており、現在は東京の実家に帰省中で近々、また名古屋にもどってしまうという。そこで、本企画担当が考えたのは、ち伏せしてデートに誘う直球勝負。図書館の入口で待つこと1時間、ようやく出てきた美久ちゃんに勇気を出して岩下は声をかけた。【初めてのイッパツ:美術館帰りのホテルで】生まれて初めてのまっとうな恋愛。しかも、相手は図書館に通う美大生。そんな岩下の恋が成就する確率はおそらくゼロに等しかった。しかし、恋愛にミラクルは付き物。美久ちゃん希望の美術館デートの帰り道、そのままイッパツをお願いした岩下に、美久ちゃんは少し恥ずかしがりながらも、小さくうなずいた。彼女が顔見知り程度の男に初デートでカラダを許した理由。そんなことは激しく乱れる彼女を見るうちどうでもいいような気がしてきた。


もう一度あの子に会いたい 藤井美久


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